際限なく「関心」が「採掘」されるマトリックス空間
Netflixオリジナルドキュメンタリー・『監視資本主義』を観て
『監視資本主義』は、Google、Facebook、Twitter等々の元社員、元役員、元エンジニアが、際限なく膨張するテック企業の光と闇の現状を赤裸々に話していました。
巨大IT企業は、利用者のデータを大量に集めて広告主に売るビジネスモデルです。規制や独禁法が機能していないので、利用者が「油田」となり、あらゆるデータを「採掘」してAIに学習させ、予測をはじき出し「確信」を売る。利用者は無料で利用できる代償に、利用者その人が「商品」になるのはよく知られているところです。
テクノロジーの進化は生活に利便性をもたらしています。自身もこうしてwebスキルを駆使して表現できるのは、テック企業が開発し世に送り出した技術のおかげであり、光の側面と言えます。
一方、テック企業は、利益を追求し、株主の突き上げをかわしていかなくてはならない存在ゆえ、規制がない限り膨張し、自浄作用が働かなくなる。
その闇の側面こそ、合法的ではあるが望む方向に持っていくために実際に利用されているとドキュメンタリーの中で話していました。
いわゆる「二極化」
政治の動きを見ると、巨大IT企業群が開発したSNS(既存メディアもですが)上では、フェイクニュースと扇動が横行中です。米国の赤(共和党)、青(民主党)、日本を含めた各国の右派、左派の分断などです。
コンテンツビジネスにおいてここ1、2年で見かける「二極化」というキーワードもそう。人を望む方向(扇動、マネタイズ等々)に動かすのに都合が良いからです。個人的には、二極化とは、二極化に振り回されるかそうでないか、であると考えています。
激動の時代にあって、自戒も込めて言うなら、自分軸が定まらないと極端に振り切ってしまいます。
以前にアップした記事で既に示していますが、世の中に対する姿勢はマージナルであると良いのかなと思う次第です。
どちらに投票するかを操作するのではなく、2つの集団をつくり混乱を起こすことが目的の遠隔戦争、文化戦争。この先「内外で」日本にも仕掛けてきますが、自身を含め一般国民はしっかりしていたいですね。
やっぱり「自分軸」
この投稿の題名通り、次の文明は「監視資本主義」と名がついてしまわないよう、巨大IT企業群に取得したデータ量に応じた課税をするなど対策も述べられていました。
自身の存在、価値観、人生に沿ったコンテンツなのかを問い、己の存在・信念を薄めないようにして便利な情報サービスツールを利用し、そのマトリックス空間に閉じ込められないようにしたいものです。