Society 5.0
今回は、先日アップした記事・「好むと好まざると進む5G的社会」の続きです。
楽天が、千葉市内の学校に5G基地局を設置し学校までの光回線を無償提供する「GIGAスクール構想支援プラン」をご存じですか?
学校の通信ネットワークの環境整備は、楽天が主導となっていくのかどうか。フィンランドのノキアとの協力で基地局を整備するようです。何かとお騒がせのチャイナの華為と提携でなくて一安心です。
このGIGAスクール構想支援プランは、令和元年度から動いているようですが、コロナ禍を機に学校の本格的なIT化が進んでいく流れ、いよいよくるのでしょうか。
また、内閣府資料の「Society 5.0」では、想像の斜め上をいく社会像・世界観が描かれているのを読みました。
人類は、狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)と進化し、次のステージはサイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステム(Society 5.0)の世界である、とビジョンが示されていました。
Society 5.0は、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより実現します。これまでの情報社会(Society 4.0)では、人がサイバー空間に存在するクラウドサービス(データベース)にインターネットを経由してアクセスして、情報やデータを入手し、分析を行ってきました。
内閣府 https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/index.html
Society 5.0では、フィジカル空間のセンサーからの膨大な情報がサイバー空間に集積されます。サイバー空間では、このビッグデータを人工知能(AI)が解析し、その解析結果がフィジカル空間の人間に様々な形でフィードバックされます。今までの情報社会では、人間が情報を解析することで価値が生まれてきました。Society 5.0では、膨大なビッグデータを人間の能力を超えたAIが解析し、その結果がロボットなどを通して人間にフィードバックされることで、これまでには出来なかった新たな価値が産業や社会にもたらされることになります。
大好きな映画「アバター」みたいな世界が現実になるの?と、映画の中ならまだしも進化しすぎでは?!と驚くと共に好奇心が湧きます。
引用の資料内に「Society 5.0では、フィジカル空間のセンサーからの膨大な情報がサイバー空間に集積されます。」と示されています。
このフィジカルセンサーは、サイバーフィジカルシステム(CPS)のことを指していると思うのですが、あらゆる場所、物がセンサーを備えた「デバイス」となり、デバイスからの情報をサイバー空間に吸い上げ、集積・解析、フィードバックされる世の中になるのか……。
場所、物に限らず人も更にデバイス化しいくのでは。今でもすでにスマホは体の一部になっています。SBの社長が将来的には「テレパシー」で通信すると公言していますし、遠くない未来、直接体に極小端末が組み込まれるかもしれません。
Society 5.0の流れに乗れる地域の一方で、そうでない地域が出てくるでしょう。これまた映画ですが、ロボコップで描かれた世界です。
「ロボコップ」で主人公のサイボーグ警官が活躍するのは、経済が衰退し、財政破綻(はたん)したデトロイト。かつては工業の中心地として栄えた大都市だったが、産業の空洞化と失業によって荒廃したという設定だ。
デトロイトの未来を予言した?「ロボコップ」の世界 2013.07.2 CNN
映画のなかでデトロイトを支えているのは、病院から警察まで経営する多国籍企業オムニ社だ。これも現実のものになりつつあるのか。ニューマイヤー氏は、「私たちはこうしたもの(公共サービス)を企業に頼るようになってきている。だが企業の目標は、公共サービスに対するニーズとは一致しない。私たちは今、まさに『ロボコップ』に描かれた世界に住んでいる」と話す。
映画の描写は、未来からのメッセンジャーです。スーパーシティー構想みたいな街と未来から置いて行かれた街と分断化された世界が果たして良いのかどうか。そうでない未来も、選択肢としてあるはずです。