『日刊わたし』 ・ネットに先回りされる「個人」

6/17のモーニングCROSSで知った気になるワード=「Daily me 『日刊わたし』」という言葉、今のネット環境をよく表しているなと感じました。
特に、新型コロナウィルスの影響で在宅が多くなっている昨今だからこそ知っておきたいことです。

ネット利用時の当たり前になっていること=「先回り」

  • YouTube、Twitterなどで閲覧・検索履歴を元に提案・表示されるおすすめ、広告。
  • Amazon購入履歴を元におすすめ提案。
    例:「読書履歴に基づくおすすめ」メールが定期的に送られてくる。
  • ブログ記事後に、「関連記事」「おすすめ記事」が表示されて読みすすめるよう促される。

この提案されるコンテンツ、これもなかなかいいね、とついクリックすることありますよね。

「先回り」は、アルゴリズムによってもたらされるものだというのは今では知られています。多くのアルゴリズムを組み合わせることによって、「わたし」が考えるより先に「今までのあなたが選んできたことからすると、これ、あなたが好きでしょ」と「向こう側」から来る。
ご丁寧に日々自分に関するレポートが舞い込んでくるみたいで、便利なようで、何かこう古語で言うところの、いとあやし、です。

この「向こう側」は梅田望夫氏の著書『ウェブ進化論』では「情報発電所」と表現されていました。
グローバル超巨大企業たちが構築している「情報発電所」は、地球最後の、目に見えないユートピアとも言われています。
もはや誰も立ち入ることができない、無機質なデストピアのようにも感じられます。

新型コロナウィルスの影響で、外出自粛、在宅ワークのライフスタイルが続くと、自宅で今まで以上にインターネットをやる人が増えています。
食事や買い物もネットで済ますことが増えると、使うツールの先・向こう側にアルゴリズムが蓄積されていきます。

現実の「わたし」に代わって「向こう側」に日々構築されていっているもう一人のアバターな自分……皮肉にも「本当の自分」を映し出す鏡になっていると言えるのかも。

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